担当者氏名 三宅貴夫
作成年月日 2006/1/29
報告フェース情報
著者 羽山良雄
著者肩書 陸軍軍医学校軍陣防疫学教室(主任:石井少将)、陸軍軍医中佐
著者2  
著者2肩書  
著者3  
表題 戦時防疫について
副題 昭和16年8月27日大阪府医師会国防医学会特別講演で講述したもの
 出典著者  
 出典表題  
 出典雑誌・書籍名  
 出典頁  
 出典発行年  
 出典社名  
第2部213号
有り
種類 講演
分類1 308-
分類2 336-
分類3  
分類4  
受付 S17.2.19
印刷数  
米国メモの有無 無し
米国メモ  
頁数 17
索引用人名 無し
索引用方法  
索引用材料  
索引用対象名  
索引用疾病名  
索引用地名  
索引用その他  
参考文献(邦) 無し
参考文献(欧) 無し
0
表題 0
抄録様式2  
抄録 伝染病の蔓延は国内、戦地を問わず人的、物的戦力の消耗に繋がる。そのため国家防疫体制の確立が必要である。わが国の過去の戦争-日清戦争、日露戦争ーにおける伝染病の状況、明治9年から昭和6年の日本陸軍における伝染病による患者数、死亡者数の経緯をみる。伝染病流行に対しては、病原体の輸入防止、伝染源の駆除、伝染経路の途絶、個人予防を取らなければならない。流行例として、水系伝染病の実例を1854年のロンドン(コレラ)から昭和12年の大牟田市(赤痢)の23例を挙げる。さらに戦時においては伝染病の自然流行とは別に細菌や毒物による謀略による流行があり、第1次世界大戦のドイツ軍(飛行機よりチフス菌を投下)から昭和14年の中国東里村(井戸にコレラ菌を投入)の細菌による11例、昭和12年の中国南汪点(昇汞)から社昭和14年の満州(昇汞)の毒物による11例を紹介する。伝染病による自然流行と謀略的工作による流行との区別はつけにくいことがある。このことが細菌兵器が理想的な兵器であることになる。しかし1925年の国際連盟軍縮会議において化学兵器、細菌兵器を禁止することを宣言し、イギリス、日本など42カ国がこれに加盟している。細菌謀略に対しても先の伝染病流行に対してと同様の方法が取られるべきであり、戦闘機の侵入防止(病原体の輸入防止)、攻撃をうけた地域の病原体の早期検知、確認、消毒(伝染源の駆除)、換気設備の整った難所の設置(伝染経路の途絶)、予防接種(個人予防)を行う。
   
本文中  
図表  
その他  
備考  
担当者の考察 興味深い論文である。
1.当時大阪医師会に国防医学会があったこと。全国の医師会にも同様な医学会があったのであろう。
2.日清戦争では患者数では脚気が多く、死者数ではコレラ(約5000人)が最も多かった(いずれも入院例に限る)。日露戦争では患者数では同じく脚気が多いが、死者数では腸チフス(約9000人)が最も多かった(同じ)。
3.明治9年から昭和6年まで陸軍で伝染病で死亡した人数は約4万人であるが、腸チフスによる死亡が最も多く、これに赤痢、ポリオ、コレラが次ぐ。
4.細菌による謀略工作例として、昭和13年、中国九江では井戸にコレラ菌を投入し、日本軍129名、現地人(土民と呼んでいる)500人が被害を受けた。真性コレラである、同地にコレラの流行がなかった、特定の井戸でありその水の飲んだ者が発病している、井戸にアンプルを発見したことなどから敵の工作であると断定した。
5.「弾丸に死すとも、病に死すな」の出征兵士の送る言葉に基づいた対応をしなければならないと論者が力説しているのは戦時防疫の「研究者」の思いを感じさせる。