担当者氏名 大野研而
作成年月日 05・11・22
報告フェース情報
著者 太田藤市郎
著者肩書 陸軍軍医学校軍陣防疫学教室(主任 石井少将) 陸軍軍医大尉
著者2  
著者2肩書  
著者3  
表題 マーゾニンの殺菌力に関する実験的研究(第一報)
副題  
 出典著者  
 出典表題  
 出典雑誌・書籍名  
 出典頁  
 出典発行年  
 出典社名  
310
 
種類 原著
分類1 365−8
分類2  
分類3  
分類4  
受付 17.5.1
印刷数  
米国メモの有無  
米国メモ  
頁数 13
索引用人名 内藤良一、谷山直記、中村豊
索引用方法 リーデル・ウォーカー氏法(変法)
索引用材料 エチル・マーキュリ・チオサリチル酸ナトリウム、マーサイオレイト、マーゾニン、石炭酸、緑膿菌、ぶどう状球菌、
  変形菌、ホフマン氏菌、大腸菌属菌、ブイヨン、マウス
索引用対象名  
索引用疾病名  
索引用地名  
索引用その他  
参考文献(邦) 2
参考文献(欧)  
 
11
抄録様式1  
背景 血清や、免疫元の殺菌防腐の目的には従来から0,5%の石炭酸を加え、良好な成果が得られていたが、これに代わる優秀な各種殺菌防腐剤が多数出現してきた。1925年ごろから米国で合成されたエチール・マーキュリ
  リ・チオサリチール酸ナトリウム(商品名・マーサイオレイト)は、消毒剤として毒性少なく、蛋白メディウム中でも殺菌力が大きい点できわめて優秀であると言われ、現在陸軍軍医学校製造のガス壊疽血清にはマーゾニン(武田
  田)0,004%、石炭酸0,1%および食塩0,01%、免疫元中にはマーゾニン(武田)を0,002%の割合に加えているが、貯蔵中に雑菌が発育して混濁してくるものが少なくなく、米国の血清製造機関においても同様のことがある、との報告
  とがあるとの報告がある。
目的 上記の原因を考えると、血清や免疫元中に、そのマーゾニンに対し抵抗の強い菌が侵入発育したのであろうと
  推定し、その液から耐マーゾニン菌を分離し、これに対する石炭酸およびマーゾニンの殺菌力を試験するとともに
  その殺菌力を比較研究した。
方法 *作用温度:消毒剤を対象菌に作用させる温度は恒温槽で20℃とした。 *作用時間:消毒剤を対象菌と作用
  させる時間は2,5分から、2,5分毎にその内容から1標準白金耳をブイヨンに移した。菌の生死を知る培養は
  37度48時間。 *標準石炭酸:蒸留した石炭酸の5%溶液を原液とし、用時に希釈してその5ccずつを用いた。
  「マーゾニン」も5%溶液を原液とし、用時に希釈して5ccずつ用いた。 *成績の判定:(1)石炭酸とマーゾニンの
  殺菌力を比較するのに石炭酸係数をを用いた。この実験では、2,5分ー12,5分作用させたものの、培養試験
  陰性となる濃度を両者に求め,その比を石炭酸係数とした。(2)各消毒剤の作用時間は2,5分ー12,5分だけ
  でなくさらに1時間、3,5,8,12,24,33時間、2日、3,5,7,9および15日につき検査した。
材料あるいは対象 混濁したガス壊疽血清および免疫元より分離しえた菌種(緑膿菌、ぶどう状球菌、ホフマン氏菌、大腸菌属菌)
  と変形菌の性状は表1のごとくである。1、菌株:上記の5株の生活力を一定にした後、次項のブイヨンに24時間
  培養したものを使用の前に濾過し、その約0,1ccを用いた。2、培養基:この培養基は、試験実施前の菌培養
  および消毒剤作用後の菌の生死を知る目的に使用された。成分は、レンダー肉エキス・100g、照内ペプトン・
  100g、食塩・30g、蒸留水・10,000ccで作製し、pH7,2とし、120℃30分で高圧滅菌した。
研究対象(実施)年月  
場所  
結果 *実験成績:石炭酸とマーゾニンの各希釈液の殺菌力を蒸留水、健康馬血清、および免疫元で検査した、その
  成績は表2,3,4のとおり。すなわちマーゾニンの石炭酸係数は最高500で石炭酸と比べて優秀であった。
  溶媒による殺菌力の低下は両者ともに軽度であった。規定時間12,5分以内に対象菌をすべて死滅させるには
  マーゾニンでは蒸留水で400倍、血清で300倍、免疫元で150倍希釈液を要し、石炭酸では蒸留水、血清及び
  免疫元で50倍希釈液を用いたが、ホフマン氏菌は死滅させえず、他の菌は殺菌しえた。その後長時間にわたり
  各種希釈液を作用させ、殺菌力の検査をした。(表6,7,8)すなわちほぼ24時間では、蒸留水では50,000
  倍希釈液で死滅させえたが、血清、免疫元では3000倍希釈液でも生存しているものがある。その後作用時間の
  延長に伴い陰性となり、1週間経過するとごく一部を除いて死滅させられる。ホフマン氏菌だけは9日目になっても
  血清は5000倍希釈以上で死滅させられなかった。また作用時間12,5分以内ではマーゾニン殺菌力の、溶媒
  による差はきわめて軽度であるが、作用時間が長くなるとその差は顕著となり蒸留水、免疫元、血清の順に
  殺菌力は減弱する。
  *マーゾニンと石炭酸の毒性:(1)血清凝固性、(2)温血動物赤血球に対する影響、(3)マウスに対する毒性。
考察  
結論 以上によりマーゾニンは石炭酸に比し殺菌力が強く石炭酸係数であらわすと最高500である。すなわち各種耐マーゾニン菌に対し、石炭酸では50倍希釈でも殺菌し得ないものがあるがマーゾニンではその150倍希釈液により完全に殺菌できる。この濃度の毒性を検討したところ、血清凝固性はないが各種温血動物の赤血球を溶血させ、加えてマウスに対し毒性が強い。よって、マーゾニン150倍希釈液を用いて血清および免疫元の殺菌を行うことは出来ない。しかし、マーゾニン10,000倍希釈液を用いるとホフマン氏菌を除き8−72時間で殺菌できる。対象菌すべてをマーゾニンで殺菌しようとすると2000倍希釈液を7日間、3000倍希釈液を9日間作用させる必要がある。そしてマーゾニン2000倍希釈液以上ならその毒性はないと考えられる。以上より現在防腐目的で生血清に対しマーゾニン0,004%、石炭酸0,1%及び食塩0,01%を、免疫元に対しマーゾニン0,002%を加えているがマーゾニンの濃度が低いため、耐マーゾニン菌が増殖するので今後その濃度を0,04%(約3000倍)とすれば完全なものと考える。
抄録様式2  
抄録  
注目すべき事項  
本文中  
図表  
その他  
脚注・注釈  
備考  
担当者の考察