日本陸軍軍医学校防疫研究報告抄録
担当者氏名 岡田麗江
作成年月日 2007.11.20
著者 溝上三郎
著者肩書 陸軍軍医大尉
著者2  
著者2肩書  
著者3  
表題 武漢附近に於けるゲルトネル氏腸炎菌に就て(第1報)
副題  
 出典著者  
 出典表題  
 出典雑誌・書籍名  
 出典頁  
 出典発行年  
43
種類 原著
分類1 437-1
分類2 437-3
分類3 437-6
分類4 222-3
受付 15.4.14
印刷数 400
米国メモの有
米国メモ  
開始頁 92
終了頁 92-45
索引用人名 溝上三郎 石井大佐 西村部隊 荒木部隊 島津教官 中黒軍医大尉 櫻井 早坂 芳賀 吉村 正木 宮尾 大里 良田 飯野 刈谷 相澤 落合 中川 石垣 小島 寒川 金野 大城 前田 井手 青木 大坪 板橋 八田 小池 下条 添川 平野少将 菊池教官 内藤教官 谷山雇員 古荘三郎軍医中尉 石山金太郎軍医中尉 稲森正愛軍医少尉 廣木 岩田 A.Gartner, LubarschVirchow Ar, Graig.a white, Mc.Nee, Roscher a. Wilson, Herzog u.Schiff, Stuart a. krikoriau, Seligmann u. Clauberg, Smith jl., Li a Ni, P.Y.Liu, Symmers a Wilson, Smith a Aberd, Pesch, Nocht u. Myer, Kauffmann, Bahr, Pesch u. Kramer, hilgers u Schimazu, 
索引用方法 ヴィダール反応 分離菌の生物学的性状 血清学的性状 
索引用材料 臨床患者から分離したゲルトネル氏腸炎菌 陸軍軍医学校中黒氏提供のゲルトネル氏菌
索引用対象名  
索引用疾病名 マラリア 腸チフス パラチフス(A,B,C) コレラ
索引用地名 武漢 北京 ロシア
索引用その他  
参考文献(邦 29
参考文献(欧 28
1
36
背景 ゲルトネル氏腸炎菌による症状は、腸チフス様、敗血症様、高熱、腹痛など様々な症状で報告される。ヨーロッパ、北京、本邦でも該菌が分離されているが、性状が一定のものではない。
目的 支那事変時、武漢附近で分離したゲルトネル菌と陸軍軍医学校で中黒氏の分離したゲルトネル菌、患者やその後に得た菌株について、臨床症状の特徴、分離菌の性状について研究したので報告する。
方法 武漢附近の発生地図を作製。臨床症状は、各病院主任医官の調査報告内容をまとめる(40例)。分離菌を用いてその生物学的、血清学的性状を調査。
材料あるいは対象 分離菌59例70株(武漢附近56例67株、中支方面3例3株、保菌者2例2株)、中黒氏分離の対照菌17株、参考菌7株。血液、糞便、尿、膿汁、不明中より分離(武漢附近などの70株)
 出典雑誌・書籍名  
場所  
結果 地理的分布では、武漢附近のうち武昌に最多。ゲルトネル氏腸炎患者40例では、チフス型が多い。死亡率は腸炎型が高い。発病は、散発的で感染経路は不明。原因は、生水の飲用生卵食が考えられる。今事変でゲ菌の発病報告が多く、分離菌での菌型は、腸チフス症状を呈すもの多く、ブレイダム型が最多で、モスコー型は次に多い。感染力は、腹腔内、経口ともにラッテにはない。ヴィダール反応は、腸チフス、パラチフスに比し病気の後期になるに従い凝集価は高くなる。抵抗力は、80℃で1分で死滅。1.0%石炭酸水では5分間生存。
考察  
結論 ゲ菌の地理的分布は、中支作戦地で武漢附近である。ゲルトネル氏腸炎は食中毒の型ではなく、腸チフス症状で散発的に発病。初発症状は、チフス型、腸炎型、コレラ(嘔吐は伴わず)型に分類でき、チフス型が多い。ゲ菌は、血液中、尿、便、胆汁中に説明出来、腸チフス、A型、B型パラチフスに等しい。ヴィダール反応は、ゲ菌に対して高度の凝集価の場合でも、腸チフス菌では、概して低度。死亡率は17%で、腸炎型が最高。ムカートの分解遅延をきたすチャコー型の1変株を認めた。分類菌は、マウス、モルモットで腹腔内、経口感染力強いが、ラッテには、無い。2.5%クレゾール石鹸液では、30秒乃至1分間で死滅する。過マンガン酸加里法で検出するに概して8〜16倍希釈までカタラーゼを証明する。南京においてもゲ菌が分離され、武漢でも続々分離されていると聞くので、中支作戦地では、ゲ菌による疾患に留意することが防疫上必要となる。
  昭和15年4月報告