担当者氏名 大野研而
作成年月日 05・12・7
報告フェース情報  
著者 太田藤市郎
著者肩書 陸軍軍医学校軍陣防疫学教室(主任 増田大佐)陸軍軍医大尉
著者2 出井勝重
著者2肩書 担任指導 陸軍軍医少佐
著者3 小林六造
表題 ウェルシ氏A型菌の感染発症機転に関する研究
副題  
 出典著者  
 出典表題  
 出典雑誌・書籍名  
 出典頁  
 出典発行年  
 出典社名  
431
なし
種類 原著
分類1 321−28
分類2 428−3
分類3  
分類4  
受付 昭和17.12.15
印刷数  
米国メモの有無  
米国メモ  
頁数 12
索引用人名 木村将義
索引用方法  
索引用材料 マウス、モルモット
索引用対象名  
索引用疾病名  
索引用地名  
索引用その他  
参考文献(邦) 1
参考文献(欧)  
 
11
抄録様式1  
背景 ウェルシ氏A型菌が、ガス壊疽の起因菌中、もっとも重要なものであること、A型菌に属する各種菌株中には、
  実験動物(マウスおよびモルモット)に対し、感染発症力が著しく異なるものがあることは従来多くの研究者により
  示されている。またA型菌中、PB64およびWP株の全培養液をつくり、これと、これを生理食塩水で3回洗滌後、
  さらに生理食塩水でもとの量にもどした「洗滌菌体食塩水浮遊液」を、同様に生理食塩水で希釈し、その一定量
  に含まれる生菌数が、ほぼ同じであることが、木村により、証明された。
目的 従来A型菌の高価な抗毒血清が、本菌の感染によるガス壊疽の発症の防止、あるいは治癒させることは衆知の
  事であるが、その作用機転についてはまだ明らかでないところがある。今回入手し得た、病原性の異なるA型菌
  株を以ってこの点に関する研究を行ったので報告する。
方法 感染材料(1)−(5)を、各希釈毎に2匹のモルモットおよび3匹のマウスの右大腿部皮下に接種して、4日間に
  わたって局所および腹部の病変、および生死を観察した。(1)全培養液:保存菌株をツアイスラー氏血液寒天平
  板培地に培養、その定型的集落を分離し「肝片肝臓ブイヨン」に血温18時間培養したものを原液(=全培養液)
  として、滅菌生理食塩水で使用直前に希釈・接種した。(2)毒素:前記全培養液を遠心分離した上清を、さらに
  ザイツEK濾紙で濾過したものを毒素原液とし、これを滅菌生理食塩水で、使用直前に希釈・接種した。(3)洗滌
  菌体食塩水浮遊液:前記全培養液を遠心分離し上清をできるかぎり除去した後、滅菌生理食塩水でもとの量に
  もどし充分撹拌して再度遠心分離し上清をすてる、これを3回繰り返し毒素をできるかぎり洗滌した菌体を滅菌生
  理食塩水でもとの量にもどした後、使用直前にさらに滅菌生理食塩水で希釈・接種した。(4)毒素洗滌菌体混合
  液:(3)の洗滌菌体を(2)の毒素でもとの量にもどしたもので、滅菌生理食塩水で使用直前に希釈・接種した。
  (5)病原性増強試験材料:病原性の弱い1640−Gおよび済南ーDの全培養液の各種希釈液0,2ccに、病
  原性の強いPB64毒素の各種希釈液(いずれもマウスおよびモルモットに対する致死量以下とする)0,2ccを
  くわえ、充分混合した後、接種した。
材料あるいは対象 *菌株*この実験で用いたウェルシ氏A型菌はつぎのものである。(1)PB64:この菌はワシントンのNIHに保存
  されていた菌株で現在陸軍で使用されているガス壊疽血清製造用菌株で、きわめて病原性の強いものである。
  (2)1640−G、(3)済南ーD:この菌は中支および北支済南より送られた土壌から著者が分離した菌株で、
  マウスおよびモルモットに対し、その全培養液0,2ccでも感染・致死させることの出来ないきわめて病原性の
  弱いものである。 *試験動物*モルモット(150−200g)およびマウス(13−15g)。
研究対象(実施)年月  
場所  
結果 第1章:PB64各種感染材料の病原性比較:PB64菌株は、全培養液ではマウスおよびモルモット
  に対し病原性が極めて強いが、毒素および洗滌菌体食塩水浮遊液とに分割すると病原性は激減
  する。しかし再度両者を混合し、毒素・洗滌菌体食塩水浮遊液とすると、病原性が復活し、全培養
  液と等しくなることが分かった。すなわち毒素は生菌体の能力を援助しその感染発症力に重要な
  協力をしていることが分かった。第2章:PB64毒素のPB64洗滌菌体食塩水浮遊液の病原性に
  及ぼす影響:PB64洗滌菌体食塩水浮遊液は、致死量以下の毒素量添加によりマウス及びモル
  モットに対しその病原性が増強した。すなわちマウスでは最高4倍強、モルモットでは最高12倍強
  増強した。その原因を考えると、洗滌菌体食塩水浮遊液単独では感染発症力はないが、これに
  致死量以下の毒素が添加されると、その発育が促進され同時に毒素の産生が旺盛となってその
  病原性が増強するものと考えられる。第3章:PB64毒素の無毒力菌株全培養液の病原性増強
  に及ぼす影響:1640−Gおよび済南ーDのマウスに対する病原性が最高4倍、平均2倍までの
  増強を示すのみでモルモットに対しては全く増強されなかった。
考察  
結論 1、強毒素産生菌株の全培養液の病原性は、生菌と毒素の協力によることが証明された。2、その協力は、まず毒素によって健康組織を壊死に陥らせ、その基地に本菌が増殖し毒素を産生し、発症を増強させ、死に陥らせることを推定させた。3、この推定が妥当であることは、毒素産生能力の微弱な菌では毒素による協力を得ても、その発症力を増強させる能力が微弱であることにより証明されたと言える。
抄録様式2  
抄録  
注目すべき事項  
本文中  
図表  
その他  
脚注・注釈  
備考  
担当者の考察