日本陸軍軍医学校防疫研究報告抄録
担当者氏名 岡田麗江
作成年月日 2008.3.27
 
著者 佐藤鐵之助
著者肩書 南支那防疫給水部 陸軍衛生中尉
著者2  
著者2肩書  
著者3  
表題 昭和14年南支に流行せし「コレラ菌株に就いて
副題  
 出典著者  
 出典表題  
 出典雑誌・書籍名  
 出典頁  
 出典発行年  
459
種類 原著
分類1 222-43
分類2 438-2
分類3 438-5
分類4  
受付 昭和15.1.16
印刷数  
米国メモの有無
米国メモ  
開始頁 459
終了頁 459-19
索引用人名 佐藤鐵之助 井上隆 田中巌
索引用方法 遠藤氏培地 コレラ・ロート反応 パイフェル氏溶菌試験
索引用材料 井上隆部隊分離菌株 田中巌部隊分離菌株
索引用対象名  
索引用疾病名 コレラ
索引用地名 広東 仏山附近 香港
索引用その他  
参考文献(邦) 0
参考文献(欧) 0
0
8
背景 昭和14年5月広東及び仏山附近から更に香港その他南支各地に散発せし「コレラ」は10月21日を最後に終息した。軍は、逸早く之が防疫の万全を期し検疫に接種に各種手段をもってこの普及に努め、軍の被害を最少限度にて終結せしめた。この間、田中巌部隊は、井上隆部隊に引き続き現地菌株で以て87萬余人分の予防接種液を生産交付した。分離菌株の性状については『昭和14年8月田中巌部隊第1課長指示』により諸検査を実施した。
目的 昭和14年8月田中巌部隊第1課長指示による分離菌株の性状に関する諸検査が終了したので一括報告す。
方法 分離菌株と対象菌株を用いた生物学的性状、血清学的性状(凝集反応、パイフェル氏試験)試験
材料あるいは対象 井上部隊、田中巌部隊第1課より直接分離菌株27株、香港の分離菌(在香港宗廣氏より波集団軍医長森島閣下宛分与送付されたもの)11株、計38株。対照菌株は、陸軍軍医学校防疫研究室より分与され、当業室保存の原型(稲葉菌)、異型(小川菌)、中間型(彦島菌)。免疫血清は、陸軍軍医学校製原型及び異型、伝研製中間型を使用。パイフェル溶菌現象検査は、伝研製原型血清を使用。海貘 家兎
研究対象(実施)年月  
場所 広東、仏山附近より更に香港その他南支各地、
結果 生物的性状は、長型に属し、大部分が球菌状。活動は固有活動あり、鞭毛有り。遠藤氏培地培養も集落形成。グラム染色陰性。毒力は、辻菌(罹患兵中最も急激に死の転帰をとったもの)は0.1mg迄死せる。0.01mg以下は死せず。、井水41号菌、香港1号は2.0mgで死せる。血清学的には、辻血清と分離菌株との凝集反応、吸収反応から分離菌株はいずれも原型とみとめられる。パイフェル氏溶菌試験は、辻菌株、41号菌株に実施、反応は陽性。
考察  
結論 昭和14年5月より広東、仏山附近に流行したコレラ菌は、原型で其の菌力は0.1mg。コレラ菌検索には、コレラ用特殊培地を使用すれば好都合であるが、一般腸管系伝染病原菌検索に使用しつつある遠藤氏培地を使用しても何ら支障無く良結果を得る事が出来る。この際、照内ペプトンを使用すれば尚良結果を得られ、また物資の節減ともなる。
備考 昭和14年5月よりの散発したコレラの広東附近の患者の状況:軍人5 死亡2 治癒3、 軍属8 死亡3 治癒5(保菌者1を含む)、 邦人8 死亡3 治癒5(保菌者1を含む)、 支那人709  死亡387 治癒322(保菌者1を含む)