日本陸軍軍医学校防疫研究報告抄録
担当者氏名 岡田麗江
作成年月日 2007.11.20
著者 溝上三郎
著者肩書 陸軍軍医大尉
著者2  
著者2肩書  
著者3  
表題 武漢附近に於いて分離せるC型パラチフス菌(オリエント型)並びに該菌に関する研究
副題  
 出典著者  
 出典表題  
 出典雑誌・書籍名  
 出典頁  
 出典発行年  
54
種類 原著
分類1 436-1
分類2 436-2
分類3 339-36
分類4  
受付 15.9.26
印刷数 400
米国メモの有無
米国メモ  
開始頁 1
終了頁 44
索引用人名 溝上三郎 石井大佐(陸軍軍医学校軍陣防疫学教室主任) 寺邑 松本 正木 下条 常岡 青木 瀧田 小島 丸山 曾田 窪田 土持 岸川 門下 西村部隊長 菊池教官 島津教官 Kauffmann, Hirschfeld u. Kauffmann,
索引用方法 生物学的性状 抵抗力試験 動物試験 血清学的性状 凝集反応
索引用材料 分離C型パラチフス菌(オリエント型) 豚コレラ菌 豚チフス菌 培地 マウス モルモット 家兎
索引用対象名  
索引用疾病名  
索引用地名 武漢 上海 ロシア 小アジア バルカン アメリカ スマトラ ブリティッシュグイアナ エジプト 上海 北京 
索引用その他  
参考文献(邦) 18
参考文献(欧) 48
0
25
背景 西村部隊部員として中支転戦時に、昭和14年4月頃より武昌にて熱性病患者よりC型パラチフス菌(オリエント型)を検出した。C型パラチフス菌と称する場合は3分類があり、本菌はロシア、小アジア、上海、北京などでも検出されている。満州には報告例がない。豚コレラ菌に類似するが血清学的性状、疫学的にも全く異なる。
目的 パラチフスC型菌の血清学的性状を知る。また、培養性状を知り菌の分類をするとともに疫学的証明をする。
方法 分類菌の生物学的性状、血清学的性状をしらべる。
材料あるいは対象 武昌、中支での分離菌C型パラチフス菌(オリエント型)13例13株、業室保存の同型菌株24株(軍医学校12、駒込病院2、東北帝大細菌学教室分離10) 対照菌として、豚コレラ菌(アメリカ型81株、クンツェドルフ型94株)、豚チフス菌3株、合計178株(軍医学校所蔵菌株)、マウス、モルモット、家兎
研究対象(実施)年月  
場所  
結果 分離菌10例の患者の臨床症状は、全てチフス様症状。分離菌37株は4群に分類でき、第1群は武昌1型、第2群は小アジア、上海、本邦で検出。第3群武昌2型、第4群西アフリカで分離されたものである。C型パラチフス菌は、カタラーゼ作用がある。豚コレラ菌、豚チフス菌とC型パラチフス菌の相互の鑑別は、シモンスグルコーゼ寒天、有機酸ムカート培地、ラクムス乳精及醋酸鉛培地、糖加ペプトン水(アラビノーゼ、ツルチット、ラムノーゼ、ソルビット、マンニット)で出来る。抵抗力は、60℃、70℃,80℃で5分間以内で死滅。2.5%の石炭酸水やクレゾール石鹸液で、30秒以内で死滅。C型パラチフス菌は、マウス、モルモットに腹腔内、経口感染は100%可能で、6〜8日以内で死亡。家兎は経口感染可能。中支分離菌は、全てVi抗元を有する。
考察  
結論 武漢周辺の熱性病患者よりC型パラチフス菌(オリエント型)10例を分離。事変中中支で分離したもの、業室に保存されていたC型パラチフス菌37株は、生物学的、血清学的研究で4群に分類できる。そのうち武漢周辺のもの2群は、従来報告されたC型パラチフス菌とは性状の多くを異にする。培養上4群の鑑別に必要な培地は、シモンスグルコーゼ寒天、有機酸ムカート培地、アラビノーゼ・ペプトン水、ラムノーゼ・ペプトン水、醋酸鉛培地である。分類菌の熱及び消毒薬への抵抗は、一般サルモネラ菌と異ならない。マウス、モルモットへは、分離したC型パラチフス菌の感染は、腹腔内や経口的に100%可能。家兎は経口感染である。C型パラチフス菌には、菌株によりO抗元を異にするものあり。中支のC型パラチフス菌は全てVi抗元を有す。このVi抗元は、血清学的、熱及び薬物に対して、腸チフス菌Vi抗元と全く同一の態度である。
備考 付記 北支地方行動の瀧田部隊の分離したC型パラチフス菌12株は、生物学的、血清学的性状から豚コレラ・アメリカ型9株、豚コレラ・クンツエンドルフ型2株に類似していた。