担当者氏名 大野研而
作成年月日 06・1・9
 
著者 勝矢俊一
著者肩書 陸軍軍医学校軍陣防疫学教室(主任 井上大佐) 陸軍技師
著者2 井村棲梧
著者2肩書 陸軍軍医中尉
著者3 武子鮮太郎、伊藤由雄
表題 高性能野戦蒸溜器付属高圧揮発油燃焼器の試作
副題  
 出典著者  
 出典表題  
 出典雑誌・書籍名  
 出典頁  
 出典発行年  
 出典社名  
567
なし
種類 原著
分類1 170−
分類2  
分類3  
分類4  
受付 昭和18.9.30.
印刷数  
米国メモの有無  
米国メモ  
頁数 8
索引用人名  
索引用方法  
索引用材料  
索引用対象名  
索引用疾病名  
索引用地名  
索引用その他  
参考文献(邦)  
参考文献(欧)  
4
 
抄録様式2  
抄録 「第一章」試作の目的:本器は、先に報告した「高性能野戦蒸溜器(試作)」に付属させる為に試作したものであ
  る。蒸溜器は使用目的及び構造上、下記の諸点を満足する燃焼器を必要とする。1.火焔が集中的で熱量が大
  きいこと、2.風により火焔が動揺したり消火しないこと、3.点火操作が容易であること、4.軽量、堅牢かつ小さ
  いこと、5.燃料が経済的であること、6.あんぜんであること。以上の条件を備える燃焼器を得ようとするのが、こ
  の試作の目的である。
  「第二章」既製品に対する考察:従来の、石油、ガソリンなどを燃焼させる機器を大別すると、1.無気噴射燃焼型
  2.エアーガス型、3.前二者の混合型、のようになる。これらについて得失を概観すると、1.無気噴射燃焼型:
  比較的小範囲の面に強大な火熱を与えるのに適しており、大熱量を供給しうる。風による火焔の動揺・消火の度
  合は2・3に比べて小さい。10℃以下では完全燃焼を望みにくく、効率も余り高くない。2.エアーガス型:直接点
  火燃焼器である範囲の面にほぼ一様な熱を供給するのに適しており、完全燃焼で効率は一般に高いが、機器の
  構成が複雑で、大熱量を供給しようとすると、電動機によるポンプを作動させる必要があるだけでなく、風により
  火焔が動揺し消火してしまうことがあり、野外での使用に適せず10℃以下での完全燃焼が望みにくい。3.前二
  者の混合型:市販の経済ガス器という型式のもので、1・2を折衷したものでそれらの得失を緩和しており使用の
  目的によっては適当であろうが、取り扱いが不便で重い、効率が悪い、風により火焔が影響されることが大きいな
  どの欠陥がある。10℃以下での完全燃焼は望みにくい。
  「第三章」試作:三者に長短はあるが、第1章に述べた目的を考えると、無気噴射型を採用すべきと考える、その
  理由は、イ)火焔が風に影響されることが比較的少ない、ロ)構造が簡単で軽く、大きさも小さく点火の操作が容
  易である、ハ)他の型式に比べ低気温あるいは自己火焔の輻射熱による燃焼の度合いの変動がすくない、ニ)大
  熱量を集中的に供給しうる可能性がある、などである。昭和17年3月第一試作の結果、燃焼器そのものすなわ
  ち火口の成績は所期の目的を達した。(イ)火力試験でゼーゲル錐07aを6分20秒で屈曲させた、この時の温度
  は約1000℃であった。(ロ)高性能野戦蒸溜器に使用し、2分で蒸留水の溜出を開始し、1時間12Lの溜出量
  が得られ、その最高性能が発揮された。(ハ)重さは0,5kgで軽く、堅牢で破損の心配がない、という成績を得
  た。ところが加圧燃油槽の構造・形などに満足な結果が得られず、第二次試作を行い、ほぼ満足な結果を得たの
  で次章に報告する。
  「第四章」試作品の詳細:1.仕様および仕様の理由・略。2.性能・(イ)火口、完全燃焼で、熱量充分、最高温度
  1000℃に達し1時間の消費ガソリン量は820cm3である。(ロ)導管、屈曲自在でねじの部分は堅牢である。
注目すべき事項 (ハ)燃油槽、常用圧力は1,4kg/cm2であるが、本体の耐圧は4,2kg/cm2以上で圧に対する強度は充分で
本文中 ある。ポンプの性能は高く、同容量のものに比べて軽い。(二)重量、燃油槽2kg、導管(2本)0,17kg、火口
図表 0,5kg、計2,67kg。(ホ)高性能野戦蒸溜器の収納箱内に他の部品とともに収納することができ、本器を高性
その他 能野戦蒸溜器に使用すれば1時間12Lの蒸留水を得ることができる。
脚注・注釈 「第五章」結語:上に述べたように、本器は高性能野戦蒸溜器に付属させ、その最高性能を発揮させ、重さ・大き
備考 さ・その他の点でも最適のものであると確信し、所期の目的を達成したものと考える。なお本器は大幅な火力の
担当者の考察 調整を必要とせずに大熱量を得る必要がある他の機器、とくに野戦向け機器に応用して大きな効果を収めうると
  考えるが、その応用が見られれば幸いである。