担当者氏名 大野研而
作成年月日 06・1・9
報告フェース情報  
著者 松平豊太郎
著者肩書 陸軍軍医学校軍陣防疫学教室(主任 井上大佐) 陸軍軍医少佐
著者2 小島三郎
著者2肩書 担任指導 嘱託 医学博士
著者3  
表題 肺炎双球菌の菌型に関する研究
副題 第1編 健康兵における肺炎双球菌菌型分布の研究
 出典著者  
 出典表題  
 出典雑誌・書籍名  
 出典頁  
 出典発行年  
 出典社名  
584
なし
種類 原著
分類1 413−1
分類2  
分類3  
分類4  
受付 昭和18.7.19.
印刷数  
米国メモの有無  
米国メモ  
頁数 16
索引用人名 Bezancon,F.Et Griffon,W.,Neufeld,F.Und Haendel,L.,Dochez,A.R.And Gillepsie,L.J.,
  Cooper,G.,Edwards,M.And Rosenstein C.,Walter,A.And Peizer,L.,Blount,K.,Beattie,
  M.And Cotler,H.,Kauffmann,F.,Morch,E.And Schmith,K.,Guevin,V.,Bucca,H.、
  Gundel M., Okura G.,Seitz L.,永田友諒、佐藤千秋
索引用方法  
索引用材料  
索引用対象名 肺炎双球菌、菌型
索引用疾病名  
索引用地名  
索引用その他  
参考文献(邦) 2
参考文献(欧) 10
 
5
抄録様式1  
背景 肺炎双球菌は1897年に初めて凝集反応上数種に分類できることが認められ、1910年凝集反応とマウスに対する
  感染防御試験とにより急性肺炎患者から分離した菌株につき、T型とU型の2種に分類され、1913年には従来
  粘液性連鎖状球菌と呼ばれていたものをV型菌として新たに分類され、さらにT、U、V型菌の免疫血清のいず
  れにも凝集反応を呈しない菌群をW型とされ、はじめて4型に分類された。今日、この4型は]群と呼ばれること
  になった。その後、この]群をさらに分類する研究が多数の人々により行われ、ついにCooperらにより本菌は
  T-]]]U型に分類されるようになった。(1929−32)しかしその後31型に分類された。1940年にKauff−
  mannららは50型に分類し、抗原分析の結果、抗原構造は2以上の抗原因子より構成されていることも認められ
  るようになった。1941年、Walterは55型に分類した。わが国では大正15年に平野により、流行性感冒の患者
  から分離した399株の肺炎双球菌を4型に分類され、ついでいくつかの報告がある。以上のように菌型が分類・
  確定されるようになり、臨床上菌型が肺炎の経過、予後、血清療法などに密接に関係することを解明しようとして、
  またその疫学的関係を説明しようとする研究が盛んとなり、わたしも、集団生活をする軍隊におけるこの方面の研
  究を行おうと考え、まず健康兵における肺炎双球菌の菌型の分布に関する研究を計画した。健康人における肺炎
  双球菌菌型の分布は表1のように大部分]群でしめられ、クループ性肺炎は大部分固定型で、カタル性肺炎は
  大部分大部分]群で占められていることが明らかになって、諸家の疫学的研究によりクループ性肺炎は固定型
  菌保有者から感染を受け、これにある不明のなにかが加わった時発病するのであろうととなえ、肺炎の疫学に
  一般の注目を引くにいたっている。また最近菌型の移行に関する研究や変異に関する研究があり注目すべきで
  あるがまだ一般的ではなく、したがって肺炎双球菌菌型の分布を調査することは肺炎の疫学的研究に重要な意
  義を持っている。
目的 Cooperの分類法による健康人での肺炎双球菌菌型の分布調査は諸家により行われているが、わが軍隊では
  まだ実施していないので、私は、菌型の分布がどうなっているかを研究し、集団生活する兵営における肺炎の疫
  学的研究に寄与しようと考え、この調査を企図した。
方法 (1)培養方法と菌型決定法:@培養基:この研究に使用した培養基は次のものである。1.ブイヨン、2.10%牛
  血清ブイヨン、3.0,3%ブドウ糖加牛血液寒天平板培養基、4.0,3%ブドウ糖加牛血液寒天斜面培養基。
  A喀痰中の肺炎双球菌分離法:喀痰約0,5ccを10%牛血清ブイヨンに加え、37℃のフラン器内にほぼ4時間
  おきに肺炎双球菌の、増菌をはかったもの0,4ccをマウスの腹腔内に注射し、マウスの死亡後、心血を0,3%
  ブドウ糖加牛血液寒天平板培養基に1滴とり、コンラジ棒で平等に塗抹したあと、37℃フラン器内で20-24時間
  培養すると緑色環を有する透明・湿潤・周辺堤状の扁平・小円形の定型的な本菌の集落を純粋培養のように培
  養することができ、この集落で直接、対物ガラス上で凝集反応試験を行った。喀痰を腹腔内に注射したマウスで
  第3日後も生きているものは、クロロホルム麻酔で死亡させ、その心血を上記のように培養した。B菌型決定法:
  肺炎双球菌の菌型決定には、抗肺炎双球菌家兎免疫血清を用い、対物ガラス上で凝集反応試験を行い決定し
  た。1.抗肺炎双球菌家兎免疫血清:この研究に使用した抗肺炎双球菌家兎血清は次のように製作した。すなわ
  ち家兎免疫に使用した菌株は伝染病研究所・小島教授保存のT−]]]V型肺炎双球菌を分けてもらったもの
  で、家兎免疫術式は伝染病研究所学友会編細菌学実習提要に記載の方法で、凝集素価320−1280倍の免
  疫血清31種を製作し、56℃30分加温、非働性としたあと0,5%に石炭酸を加えた。31種の免疫血清を凝集
  反応試験の為6群に分け、各群の混合血清は各構成菌型血清をおのおの同じ容量ずつ混合したものである。
  2.凝集反応試験術式:略。
材料あるいは対象 (2)検査材料および被検者:@検査材料:起床直後の喀痰を用いた。A被検者:兵員の入退営異動の影響がも
  っとも少ない近衛騎兵連隊の第二中隊と機関銃隊の営内居住下士官兵、333名を選定した。
研究対象(実施)年月 昭和18年1月15日から開始し、3月20日で終了した。
場所  
結果 333名のうち、第一回の検査での陽性者は257名(77,2%)あった。第一回の検査で陰性の
  76名に対しては、2週間後に第二回の検査を、さらに陰性のものには再び2週間後に第三回の
  検査を繰り返して行い、44名の陽性者を検出、総計301名(90,4%)の陽性者を検出、喀痰
  413個から310菌株を得てその検出率は75,1%であった。310菌株につき各型別の分布状態
  は、第2表に示す。両隊における内務班別健康兵の菌型分布の状態は第3表、第4表に示す。
考察 (1)喀痰中の肺炎双球菌の検出率。(2)健康兵と健康な地方青年男子における肺炎双球菌の菌型分布比較。
  (3)内務班別健康兵における肺炎双球菌の菌型分布観察。(4)混合感染。
結論 *健康兵における肺炎双球菌の菌型分布は、一般健康人のそれと同様、]群が大部分を占めた。固定型であるT型は0,3%、U型は4,8%、V型は8,4%で、]群は86,6%であった。 ]群内の菌型分布は]X型が16,5%で最高、][型・10,3%、[型・9%、]V型・]]\型・各6,4%、Y型・5,5%、]]W型・4,8%、W型・4,2%、]]型・3,5%、]]Z型・  ]][型・各2,9%、]\型・1,9%、Z型・1,6%、]型・]]U型・]]]T型・]]]U
  型各1,3%、]T型・]]W型各0,9%、]Z型・]]]V型各0,6%、X型・\型・]Y型・]]T型・]]X型各0,3%となり、]U型・]]V型はなかった。分類不能型が1例あった。 *2種混合感染例は9例・2,9%あった。 *第二中隊と機関銃隊の菌型分布は、陽性率・検出率ともに前者がやや高率を示した。 *内務班別菌型分布の状態は、各班とも31菌型の半数あるいはそれ以上の菌型が陰性で、陽性菌型においては各菌型が平等に分布しているのでなく
  2,3菌型群の割拠がみられ、各内務班ごとに菌型分布に多少の特徴があった。これらの事実は軍隊における肺炎の疫学的研究上重要な所見である。
抄録様式2  
抄録  
注目すべき事項  
本文中  
図表  
その他  
脚注・注釈  
備考  
担当者の考察