日本陸軍軍医学校防疫研究報告抄録
担当者氏名 岡田麗江
作成年月日 2008.3.30
 
著者 土井茂
著者肩書 陸軍軍医学校軍陣防疫学教室 陸軍軍医少佐
著者2 平野林
著者2肩書 嘱託 医学博士 担任指導
著者3 佐藤清  嘱託 医学博士 担任指導
表題 痘毒及び鼠咬症スピロヘーターの結核病変に及ぼす影響
副題  
 出典著者  
 出典表題  
 出典雑誌・書籍名  
 出典頁  
 出典発行年  
614
種類 原著
分類1 456-3
分類2 472-3
分類3 421-3
分類4  
受付 昭和18.8.9
印刷数  
米国メモの有無
米国メモ  
開始頁 614
終了頁 614-25
索引用人名 土井茂 平野林 佐藤清 井上大佐 金子 奥田 石津 高木 高見 矢田 小林 天谷 窪田 牧野 宇上 小林 伊原 Solomom.  Berk,  Theiler,  Clay,  Arneth,  Baumgarten,  Greggio,E.  Duran-Raynals,
索引用方法 結核菌浮游液原 結核菌浮游痘苗調製 結核菌浮游鼠咬症スピロヘーター保有血液 肉眼的病理解剖所見   病理組織学的所見 レーメルし反応観察 
索引用材料 人型結核菌フランクフルト株 鼠咬症スピロヘーター 睾丸苗
索引用対象名  
索引用疾病名 結核 
索引用地名  
索引用その他  
参考文献(邦) 14
参考文献(欧) 7
1
7
背景 動物実験上結核菌接種局所の症状が一進一退するのは、細胞学的に考えると結核病巣に趨向する細胞の種類の欠如があるかもしれない。局所にある種の細胞を集める作用のある病原体を結核菌と混合感染させ細胞学的に結核病理の研究を進められる。鼠咬症スピロヘーターと麻痺狂、梅毒治療の効果報告や結核菌と葡萄状球菌、酵母菌、寄生虫を用いた実験なども報告されている。
目的 痘苗及び鼠咬症スピロヘーターと結核菌との混合感染による動物実験を行い、結核病理を研究する。
方法 菌浮游液調製法(結核菌浮游液原液、結核菌浮游痘苗、結核菌浮游鼠咬症スピロヘーター保有血液)、接種局所の観察、レーメル氏反応観察。肉眼的病理解剖観察、病理組織学的所見
材料あるいは対象 レーメル氏ツベルクリン反応をして非結核罹患であることを確認した健康モルモット35匹、人型結核菌フランクフルト株(陸軍軍医学校防疫研究室保存のもの)、痘苗として睾丸苗(同防疫研究室甲種学生沼澤具に少佐より分与され、雑菌試験をして雑菌の混入ないと確認済み。家兎には強力な発痘力を持つ)。鼠咬症スピロヘーター(当防疫研究室保存株でマウスに継代保存のもの。化学療法に使用していないもの)、結核菌浮游液原液、結核菌浮游液(対照用)、結核菌浮游痘苗、結核菌浮游液鼠咬症スピロヘーター保有血液、伝研製旧ツベルクリン原液、エーテル(モルモット殺用)。
研究対象(実施)年月  
場所  
結果 体温の変化:結核と痘毒では、2週目から上昇したが高熱ではない。鼠毒とは高熱があったが、鼠咬のみもあったので鼠咬症スピロヘーターによるものかも。接種局所:結核と痘毒では、第3週目で黒褐色で血腫状、第4週にか皮を形成、次第に牡蛎疹状、か皮の脱落後潰瘍を露出。鼠咬症とは定型的結核潰瘍を認めない。レーメル反応:結核のみ、結核と痘毒は著明に陽転した。結核と鼠咬症に間するものは、鼠咬症のみに比しては稍陽転した。肉眼的内臓変化:結核・痘毒は約半数が肺に結節を認め、結核のみと大差なし。結核と鼠咬症は、定型的結核籠を認めず。病理組織学的、特に脾臓の変化:結核と痘毒は対照と著明な相違をみない。結核・鼠毒は、対照に比し脾臓に定型的結核籠を認めず、且つ脾臓組織に著明にプラズマ細胞の浸潤を認めた(しかし、1例脾臓に極めて小なる類上皮細胞結節認めた)。
考察 結核と鼠毒組が局所、内臓に結核製病変の浸潤阻止したのは、相互の異なる生物学的作用(拮抗性)が結核菌の活動を阻止したのか、局所、内臓に集積した特殊細胞成分により防禦されたのか種々推測されるがこの研究の範囲では結論はできない。、
結論 本実験の成績に徹し、本研究は生物学的に伝染病の病理、治療を研究する方法として意義あるものと認める。
備考