担当者氏名 大野研而
作成年月日 06・1・21
報告フェース情報  
著者 樋渡喜一
著者肩書 陸軍軍医学校軍陣防疫学教室(主任 井上大佐) 陸軍軍医大尉
著者2 小林六造
著者2肩書 担任指導 嘱託
著者3  
表題 野兎病菌(Bact.Tularense)の培養に関する研究
副題 第1篇 卵黄培地、「チスチン」ブドウ糖血液寒天などの培養比較試験
 出典著者  
 出典表題  
 出典雑誌・書籍名  
 出典頁  
 出典発行年  
 出典社名  
641
なし
種類 原著
分類1 442−1
分類2 314−42
分類3  
分類4  
受付 昭和18.10.6.
印刷数  
米国メモの有無  
米国メモ  
頁数 29
索引用人名 Mc Coy,G.W.,Chapin C.W.,Wherry,B.W.,Lamb,B.H.,Francis E.,Fulmer,S.C.,
  Kilbury,S.C.,Foulger,M.,Glazer,A.M.,Foshay,L.,Rhamy,B.W.,Simpson,W.M.,
  Dieter,L.V.,Rhodes,B.,David,H.,Sarchi,G.J.,Shaw,F.W.,大原八郎、芳賀竹四郎、前田
  春雄、原重熊、鈴木定蔵、小林正、川上文雄、工藤正四郎、山口正志、西沢行蔵、金子勘太郎、伊熊健治、
  田中豊実、陳汝傑、Levine,M.,Schoenlein,H.W.
索引用方法  
索引用材料  
索引用対象名  
索引用疾病名  
索引用地名  
索引用その他  
参考文献(邦) 21
参考文献(欧) 20
 
24
抄録様式1  
背景 野兎病菌(Bact.Tularense)の培養については、1912年、ペスト様疾患の材料から分離培養に成功した事が
  報告されて以来、多くの研究が行われている。
目的 私は野兎病の研究に際し、まずその倍地についてどれを用いるべきかについて実用的な観点から成績が優秀で
  かつ入手が容易なものを目標として、卵黄および血液を含む倍地について、種々の比較試験を実施したので、
  ここに報告する。
方法  
材料あるいは対象 第1章・予備試験・第1節・供試材料:試験に用いた菌は大原八郎氏より分与をうけた野兎病菌で、芳賀株、国井
  株、佐藤株、Hen株、Col株の5株で、いずれも凝固卵黄培地に永く累代培養されていた。第2節・供試培地(製
  法は略)(イ)普通寒天(A.)(ロ)血液寒天(B.A.)(ハ)ブドウ糖寒天(G.A.)(ニ)ブドウ糖血液寒天(G.B.
  A.)(ホ)チスチン寒天(C.A.)(ヘ)チスチン血液寒天(C.B.A.)(ト)亜硫酸ソーダ寒天(Na-S.A.)(ち)
  亜硫酸ソーダ血液寒天(Na-S.B.A.)(リ)チスチンブドウ糖寒天(C.G.A.)(ヌ)チスチンブドウ糖血液寒天
  (C.G.B.A.)(ル)卵黄培地(E.)
  第2章・希釈菌液培養試験・前章で卵黄培地およびC.G.B.A.が良好であったのでこれらの培地に、どの程度まで
  培養可能であるかの量的関係を検討した。またこれを基礎として作った種々の培地の発育を比較した。第1節・
  供試材料(実験方法は略):第1章の試験で発育が良好であった国井株と伝染病研究所から分与をうけた小田株
  を用いた。
  第3章・動物からの分離培養・第1節・供試材料:この実験に用いた菌は強毒で、動物を死亡させることができる
  ものである。すなわち大原氏より分与を受けた国井株とHen株を用いた。攻撃方法は皮下、腹腔、経鼻などある
  が、致死後の菌の培養には大差がないと思われるので同様に取り扱った。実験に用いた動物数は、二十日鼠
  55匹、天竺鼠8匹で、計63匹である。死亡発見後直ちに剖検し、その病変を検するとともに脾片の1cm立法大
  のものを無菌的に卵黄培地および家兎血液C.G.B.A.に塗抹し、脾片はそのまま凝水近く培地面上に残しておい
  た。また心血は白金耳で取り同様に培地面に塗抹したあと、約30分培地を斜めにして、凝水で培地面上を一様
  に被うようにしてから直立させて培養した。37℃のフラン器に2週間培養、集落の発生を認めたときは物体板上
  の凝集反応を実施して野兎病菌であるかどうかを確かめた。
研究対象(実施)年月  
場所  
結果 第1章(表1〜3)・小括・種々な培地で培養してみると、卵黄培地、C.G.B.A.など良好で血液のある
  のが一般に良好な発育を示す。累代培養菌でも集落発生までに数日を要するものがある。亜硫酸
  ソーダは有効ではなかったが、チスチン、ブドウ糖は有効であった。菌株によって、同一性状の
  培地でも相当著しい発育の差があった。
  第2章(表4〜17)・小括・野兎病菌の発育には血液が良好で、とくに全血を用いた場合がよく、
  血液の種類による差も著明で、家兎血液を用いたものが最も良く、人血もほぼこれと同じである。
  卵黄の作用も極めて良好である。良好な培地では10のー5乗〜ー6乗の菌浮遊液一白金耳量で
  も発育する。培養温度は37℃が良く、32℃でも可である。培養日数を見ると多量の菌では24時
  間で発育するが良好な培地でも菌量の少ない場合は3〜5日で始めて集落の発生を認めるもの
  があり、菌量と集落発生の速さとは平行するようである。発育状況も、湿気の少ない斜面の上部
  にのみ集落を作ることもあるが、逆に凝水に連続してのみ帯状に発育する場合もあったので、
  FrancisやShawの指摘するように、単に培地面の湿気のみに関係しているとは考えられないで
  あろう。液体培地での増菌は不良であった。
  第3章・第2節・(1)Hen株攻撃致死二十日鼠について(表18・19)。(2)国井株攻撃致死二十日
  鼠について(表20・21)。(3)Hen株攻撃致死天竺鼠について(表22・23)。第3節・小括・以上
  各組の成績を総括してみると、63例中脾または心血のいずれかから、卵黄培地またはC.G.B.A.上
  のいずれかに菌を培養しえたものは47例(75%)であった。そのうち卵黄培地についてみると、
  脾からと心血からとをあわせて、126本中陽性が60本(48%)であり、C.G.B.A.では53本(42%)
  陽性であって卵黄培地の方がやや優れている。(以下・略)
考察 (1)卵黄培地、卵黄血液培地、家兎血液または日と血液を用いたC.G.B.A.は良好な発育を示した。(2)馬、牛、綿羊、やぎなどの血液を用いたC.G.B.A.ではあまり良好な発育は見られなかった。(3)血液または血清があれば多少とも発育を示す。(4)チスチンを含有するものは、菌の発育発起後さらに集落を大きくするような結果を得た。(5)牛肉水使用C.G.B.A.には生育するが肉エキスをを使用したものでは極めて不良であった。(6)培養温度は37℃が良好であるが32℃以上ならば相当良好な発育を示す。(7)集落の発生は培養菌量の多いほど早い。(8)動物からの
  分離培養では卵黄培地の方が良好で、C.G.B.A.はやや劣る。集落発見はC.G.B.A.の方が容易
  である。心血よりも脾の方が容易に分離し得る。
結論 私は野兎病菌培地として用いられているもののうち実用的な見地から良好でかつ入手の容易なものを目標として
  実験し、次の結論を得た。(1)希釈菌液培養で卵黄血清、卵黄培地、家兎血液C.G.B.A.また人血液C.G.B.A.が
  良好である。肉エキスは不可で、牛肉水を用いる必要がある。(2)動物からの分離培養では、家兎血液C.G.B.A.
  よりも卵黄培地の方がやや優るようであるがいずれも100%とすることは困難なので培地の数を多くする方が
  良い。
抄録様式2  
抄録  
注目すべき事項  
本文中  
図表  
その他  
脚注・注釈  
備考  
担当者の考察