担当者氏名 大野研而
作成年月日 06・2・23
報告フェース情報  
著者 樋渡喜一
著者肩書 陸軍軍医学校軍陣防疫学教室(主任 井上大佐)
著者2 小林六造
著者2肩書 担任指導 嘱託
著者3  
表題 グリセリン中浸漬動物臓器内における野兎病菌(Bact.tularennse)の生存について
副題  
 出典著者  
 出典表題  
 出典雑誌・書籍名  
 出典頁  
 出典発行年  
 出典社名  
666
なし
種類 原著
分類1 442−1
分類2  
分類3  
分類4  
受付 昭和18.10.6
印刷数  
米国メモの有無 なし
米国メモ  
頁数 6
索引用人名 Francis,E., Simpson,W.N., 大原八郎、芳賀竹四郎、前田春雄、伊能健治
索引用方法  
索引用材料  
索引用対象名  
索引用疾病名  
索引用地名  
索引用その他  
参考文献(邦) 3
参考文献(欧) 3
 
2
抄録様式1  
背景 伝染性疾患の診断は病原体を証明する事で確定されるのが原則で、それができない場合または困難な場合は、
  他の診断法に頼らなければならない。実際に病者を診断しなければならない医者には、往々にして病原体検索
  の設備がなく、そのような時は材料を検査所に送る事になる。その際材料の取り扱いが不適当な場合は、その
  目的を達する事ができなくなる場合もある。野兎病(Tularaemie)についてみると、その診断は容易ではなくそれを
  疑っても実際に菌を証明するのは容易ではない。
目的 私はこの菌を感染させて死亡した動物の臓器をグリセリン中に浸漬し、低温で保存する事によって、その臓器内
  菌の動物に対する感染性、すなわち臓器内菌の生存について小実験を行ったのでその成績を報告する。
方法 下記の材料を昭和18年7月20日すなわちA.B.C.の材料は保存後8ヶ月以上(245-246日)、D材料は
  6ヶ月以上を経過してから取り出して、そのグリセリンを傾瀉し、これを10%ブイヨン加生理食塩水で洗い、鋏で
  細切しこれに10%ブイヨン加生理食塩水を適量加えて乳剤とし、その0,25ccを各3匹ずつのマウスの腹部皮下
  に注射した。死んだものは剖検して病変を検討するとともに、肝、脾はこれを豚肝浸出液チスチンブドウ糖血液寒
  天平板に塗抹培養して菌検索をした。16日間観察して生き残ったものはクロロホルム麻酔で剖検し同様に検査
  した。また死んだマウスのうちA,B各1匹ずつでその肝、脾の食塩水乳剤を作り、これを0,25ccずつ同様にマ
  ウス各3匹の皮下に注射してその状況を観察した。
材料あるいは対象 試験に用いた菌株はいずれも大原氏より分与された佐藤株、国井株、Hen株、佐富株で、動物に対し強毒なもの
  である。これを次のような材料で試験した。A.昭和17年11/16に死んだモルモット。佐藤株で感染試験を実施。
  モルモット臓器を乳剤としこれを皮下注射して3日後に死んだもの。B.昭和17年11/15に死んだモルモット。
  国井株で動物試験を実施。死んだモルモットの臓器の乳剤を注射して5日目に死んだもの。肝、脾いずれも結節
  あり。定型的病変を認め得たもの。C.昭和17年11/16に死んだモルモット。Hen株で動物試験を実施。死んだ
  モルモットの臓器乳剤を注射して6日目に死んだモルモット。肝、脾いずれも定型的結節を認め得た。D.昭和18
  年1/3に死んだモルモット。昭和17年12月末、患者リンパ腺乳剤を注射して4日目に死んだモルモットの肝、
  脾。これは腺の腫脹は著明でなく、肺一部出血、実質化一部に結節あり。肝著変を認めず。脾に小結節無数に
  あり。別に患者リンパ腺からは明らかに野兎病菌を証明しえている。以上いずれも剖検後ただちに肝、脾の一部
  をペトリー皿に取り、消毒しないグリセリンをそのまま希釈せずに注加して臓器を浸漬して氷室に保存した。
研究対象(実施)年月  
場所  
結果 1.グリセリン内保存モルモットの肝、脾の乳剤を注射したマウスの致死状況は、表1のとおりである。すなわち
  A(佐藤株)のものでは全部6日以内に死亡した。Bでは4日目に1匹死んだほかは16日まで生存し、Cでは、
  2日目、5日目に各一匹死亡したが、残りの一匹は16日目まで生存した。Dでは14日目に一匹死んだほかは
  生き残った。そしてその病変は、一般に早期に死亡したものは急性症で、肝、脾の充血(時に貧血)のほか、著
  変は見られなかったが、6日目ごろのものでは、肝、脾、ことに脾の変化が目立って、充血肥大が見られた。時に
  は結節が多数に生じたものもあった。培養所見では夏季のため特に雑菌の発育が多く、菌の証明は困難であっ
  たが、Aで、4日目に死亡したものの肝、脾からはあきらかに、純培養のごとくに無数の野兎病菌の集落を認める
  ことが出来た。2.AおよびBの4日目に死んだもの、すなわちA2およびB1の肝、脾乳剤をマウス皮下に注射した
  ものの致死状況は表2のとおりである。いずれも4日以内に全部死亡し病変も見られたが急性症の変化であった。
考察  
結論 野兎病菌で感染・死亡したモルモットの肝、脾を一緒にグリセリン中に浸漬して低温4〜10℃に保存し、8ヶ月以
  上(245日)経過してもなおマウスに対して感染性を有する野兎病菌の生存する事を確かめ得た。感染臓器の
  保存にグリセリンは良好なものと認められる。
抄録様式2  
抄録  
注目すべき事項  
本文中  
図表  
その他  
脚注・注釈  
備考  
担当者の考察