担当者氏名 土屋 貴志
作成年月日 2010/3/10
報告フェース情報
著者 小酒井 望
著者肩書 陸軍軍医学校防疫研究室(部長 石井少将)陸軍軍医中尉
著者2  
著者2肩書  
著者3  
表題 医用昆虫研究室に続発せる発疹熱患者の病原検索と其の疫学的考察
副題  
 出典著者  
 出典表題  
 出典雑誌・書籍名  
 出典頁  
 出典発行年  
 出典社名  
687
種類 原著
分類1 331-
分類2 385-
分類3 462-2
分類4  
受付 昭和18(1943).9.23
印刷数  
米国メモの有無
米国メモ  
終了頁 11
索引用人名 内○喜○郎(内田喜八郎?)、林○、清○英○、樋○今○登(樋口今朝登?)、須○清○、生○初○、濱○茂、村○茂(村國茂?)、榎○富○、高○力○郎、小○喜○郎、河○庸○、宮○七○、北○蓮○、深○利○、小○井○(小酒井望?)、金○泰○、市○孝○、山○勝○、深○定○郎、Mooser, Castaneda, 邱雲福、河野通男、Dove, Shelmire, 落合、野崎、中川、実験助手吉田幸之助
索引用方法 病原検索、疫学
索引用材料 発疹熱患者
索引用対象名 発疹熱
索引用疾病名 発疹熱
索引用地名 陸軍軍医学校防疫研究室、医用昆虫研究室、動物舎、陸軍軍医学校診療部
索引用その他  
参考文献(邦) 5
参考文献(欧) 4
1
4
抄録様式1
背景 「ペスト防疫の目的」でケオピスネズミノミを飼育している昆虫研究室で発疹熱が流行、昆虫研究室の研究員の大部分が罹患し、隣接室その他からも患者発生、疑わしい患者も加えて計21名に達する。
目的 実験室感染の記録と防疫処置
方法 病原検索、疫学的記録、防疫処置
材料あるいは対象 発疹熱患者、マウス、ケオピスネズミノミ、クレゾール石鹸、防虫剤
研究対象(実施)年月 昭和17(1942).2.3〜18(1943).9.5(患者発病年月日)
場所 陸軍軍医学校防疫研究室医用昆虫研究室
結果 「何れも頑固なる頭痛を訴え、時に四肢痛、腰痛を伴う。発疹を認められざりしもの意外に多く、出血疹となりたるものなし。経過は胃潰瘍を合併せる河○庸○を除く外何れも軽症にして、後遺症なし」。一缶のケオピスネズミノミから発疹熱リケッチア様小体が発見される。
考察 「ケオピスネズミノミが伝播者たることは容易に想像せらるる」「飼育蚤中の感染蚤の割合が一定範囲内に平衡を保ちありたりと考えらる」「本年に到り急激に患者増加せるは恐らく感染蚤の増加せる為なるべしと想像さるるも、昨年と殆ど同一の飼育状態にありて感染蚤の増加せる原因は不明なり」「本夏隣室に患者発生せるは、家鼠の往来著しく、容易に之が駆除を行い得ざるを以て、之の感染蚤を撒布せる為ならずやと考えらる」
結論 患者14名の血液の「動物実験竝に血清反応」を行い、うち7例は動物実験でリケッチアを証明、マウス腹腔累代接種し肝臓脾臓等にリケッチアを染色証明。この7例中4例の血液を雄モルモット腹腔内に接種し、うち3例で7-10日後にナイル・ムーゼル反応陽性。その他はマウス累代接種を第4代ないし第5代まで行ったがリケッチア証明できず。濱○茂は下熱し作業復帰した後にも血中に病原体を保有。しかし潜伏期間、蚤が感染能力を獲得するまでの期間、大黒鼠の短い生存期間等の条件から、飼育蚤全般に急激に発疹熱リケッチアが蔓延することはないと考えられる
注目すべき事項
本文中 7人の患者の症例を詳細に記述。「室員は何れも多少の差はあれ飼育に従事し、従って蚤の刺螯を被る機会多し」「蚤飼育に従事する者は給血源として使用せる大黒鼠の死亡せる際は、之より付着せる蚤を除き健康大黒鼠と交換せざるべからず。従って此の際、十分注意するも往々蚤の刺螯を受く」「蚤を絶滅するは研究遂行上不可能なるを以て、各人をして蚤の逸脱防止等の防疫処置の履行を厳重ならしむると同時に、当室及び隣接研究室員全部に予防接種を試行せり。予防接種は満洲第731部隊より分与を受けたる発疹熱及発疹チフスワクチンを等量に加え、其の0.3、0.5、1.0ccを5日間隔に皮下接種し7月31日終了せり」「唯1例生○清○の妻が家庭にありて発病入院し、『発疹熱』と病名決定せり。(余は之が検索を行わず)当家付近には発疹熱の発生を聞かず。或いは生○清○の偶々感染蚤を家庭に持ち帰りて其の妻を感染発症せしめたるにあらずやと想像さる」。
図表 第2表が21名の患者の一覧、一部伏せ字だが氏名の推定可能。雇員や研究者が軒並み発病し、村國茂や小酒井望自身も罹患した。
その他  
脚注・注釈  
備考  
担当者の考察 蚤を大量飼育する上での重大問題について、流行例を記録分析した。石井機関における業室感染の深刻さを窺わせる。家族にまで感染発症者が出ている