日本陸軍軍医学校防疫研究報告抄録
担当者氏名 岡田麗江
作成年月日 2008.3.24
 
著者 小林六造
著者肩書 陸軍軍医学校防疫研究室 陸軍嘱託 主研究員
著者2 坂口正雄
著者2肩書 慶応義塾大学医学部
著者3  
表題 腸チフス菌の変異について
副題 第2編 各種糖類の本菌特に「ムタビール型変異菌に及ぼす影響に就いて
 出典著者  
 出典表題  
 出典雑誌・書籍名  
 出典頁  
 出典発行年  
866
種類 原著
分類1 435-1
分類2 311-35
分類3  
分類4  
受付 昭和19.3.11
印刷数  
米国メモの有無
米国メモ  
開始頁 866
終了頁 866-10
索引用人名 小林六造 坂口正雄 石井四郎 津田ルイ 仙波 村瀬 大野 西原 沼田 飯谷 安東 田中 Raulings
索引用方法 ムタビール変異菌の検出 糖分解能
索引用材料 津田ルイS型、R型腸チフス菌 仙波S型、R型腸チフス菌 ラクトーゼ培地 ガラクトーゼ培地 ラムノーゼ培地
索引用対象名  
索引用疾病名  
索引用地名  
索引用その他  
参考文献(邦) 8
参考文献(欧) 0
6
4
背景 第1編で腸チフスS型、R型をラムノーゼ加寒天培地で培養時に生じた変異性菌を各種糖加培地に移植し、本菌の一般生物学的及び免疫学的性状に及ぼすそれらの糖類の影響について報告した。
目的 腸チフス菌S型、R型の「ブイヨン」陳旧培養により生じるムタビール型変異菌に対して第1編と全く同様の実験を行い、各糖類の及ぼす一般生物学的および免疫学的性状への影響を報告する。
方法 村瀬のブイヨン培地(犬肉水ブイヨン)を用いてムタビール変異菌を検出。ムタビール変異菌、娘型変異菌を各種糖加培地に移植し、生物学的・免疫学的性状に及ぼす影響を比較研究。
材料あるいは対象 供試菌株として津田ルイ、仙波、Roulingsの3株のS型,R型及びその他の腸チフス菌24株のS型。犬肉水ブイヨン。メルク製、武田製、国産化学薬品研究所製ガラクトーゼ。ラムノーゼ、ガラクトーゼ、ラクトーゼ、サッカローゼ培地。O、E、φ抗元
研究対象(実施)年月  
場所  
結果 普通寒天培養基保存のムタビール型変異菌、娘型変異菌の糖分解能及びガラクトーゼ分解による該糖加ペプトン水のPHの変化は津田ルイ株S型、R型とも村瀬などの報告と同様だが、仙波株のS,R型はこれと多少異なり分解して酸性となり、その後アルカリ性になり、後更に酸性に変化する。その他の糖分解は原型と同様で異常は無し。ムタビール型変異菌をラムノーゼ加培地に移植し之により生じた変異菌を更に各種糖加培地に移植培養した実験成績は以下のようである。R型の集落所見はラクトーゼ、ガラクトーゼ加培地上では辺縁の鋸状著明でなく外見上殆どS型に近似した特異的な集落を形成、長期間観察するも飯谷の報告している粘液産生変異菌を認めない。一般生物学的性状は村瀬等の報告と一致し、各糖加培地上で形態膨大、運動緩慢。各種糖類の分解能は原型非分解のものを分解するものもある。免疫学的性状は各ガラクトーゼ、ラムノーゼ加培地上の菌の被凝集力は相当に著明な低下がある。R型における被凝集力の低下の還元力はさほど著明ではない。
考察  
結論 普通寒天培養基保存のムタビール型変異菌は村瀬等の報告するように極めて安定にしてそれより更に変異することなくその特性を長く保存するるも、各種糖加培地上に於ける当変異菌の生物学的、免疫学的性状の変化は不安定だけれども普通寒天培地移植により、速やかに正常に還元され得ることより見れば第1編で述べた如く一時的変化とみなされることである。
備考 陸軍軍医学校委託研究