日本陸軍軍医学校防疫研究報告抄録
担当者氏名 岡田麗江
作成年月日 2008.3.24
 
著者 山田二郎
著者肩書 陸軍軍医学校防疫研究室 陸軍軍医少佐 株研究者
著者2 田中伊蔵
著者2肩書 実験助手
著者3 西村一郎 実験助手
表題 血清及び予防接種液の防腐剤に関する研究
副題  
 出典著者  
 出典表題  
 出典雑誌・書籍名  
 出典頁  
 出典発行年  
872
種類 原著
分類1 365-
分類2 368-004
分類3 342-004
分類4  
受付 昭和19.3.27
印刷数  
米国メモの有無
米国メモ  
開始頁 872
終了頁 872-25
索引用人名 山田二郎 小島三郎 津山義文 石井四郎 西村一郎 田中伊造 内藤 太田 内田  西田 田代 橋爪 秋葉 風間 L.A.Weed E.E.Ecker  Otto  H.Hornung G.Domagk
索引用方法 殺菌力試験
索引用材料 マーセタート(太陽製薬株式会社) Labolan(塩野義商店) Dimethyldodezylbenzyloxyaethyl ammonium chloride(武田長兵衛商店) マーゾニン(武田長兵衛商店) 石炭酸(武田化学薬品株式会社) 規定ブイヨン
索引用対象名  
索引用疾病名  
索引用地名  
索引用その他  
参考文献(邦) 14
参考文献(欧) 8
23
14
背景 血清及び予防接種液の防腐剤として石炭酸0.5%の割に添加していたが、昭和14年内藤教官の詳細な実験により、エチール・マーキュリー・チオ硫酸曹達(医校製)ないしマーゾニン(タケダ製)が殺菌剤、防腐剤として優秀にして、特に血清蛋白の凝固性なくしかも、動物及び赤血球に対する毒性ないとして、処方(食塩0.5g,水10000cc,石炭酸10.0cc,マーゾニン0.16g)が提唱された。昭和15年より陸軍軍医学校製造の血清、予防接種液の防腐剤として使用し何ら支障はない。近年血清の防腐目的にはマーゾニンの増量の必要性が報告あり、またMerthiolateの優秀性が報告されている。本邦において市販の新消毒剤にはマーセータート、ラボランがある。 
目的 新消毒剤がマーゾニンや石炭酸の代用として血清防腐に使用できるかどうか。また、世上疑われているようなマーゾニンの効力減退の有無を調べる。
方法 培養基(レンダー肉エキス10g, うどん粉5g, 寒天20g, 水道水1000.0ccーpH7.2)を用いて供試菌力を一定にして、各消毒剤の殺菌力の比較。毒性・安定性の比較。菌の暑い苦阻止試験を行う。
材料あるいは対象 陸軍軍医学校防疫研究室保存株のチフス菌、大腸菌、赤痢菌(Y)、溶血性連鎖状球菌、白色葡萄状球菌、ヂフテリア菌、枯草菌芽胞。供試薬としてマーセタート、Labolan,Dimethyldodezylbenzyloxyaethyl ammonium choride。対照薬としてマーゾニン、石炭酸(武田化学薬品株式会社)。新鮮健康馬血清、 マウス。
研究対象(実施)年月  
場所  
結果 ラボラン、Dimethyldodezylbenzyloxyaethyl ammonium chorideは、溶血性、毒性つよく血清および予防接種液の防腐剤として不適当。マーセタートはマーゾニンに比し、血清中及び生理食塩中における殺菌力は同等あるいは、やや強大だが食塩により効力減弱、安全性と毒性でもマーゾニンに稍劣る。しかし、防腐の目的に加える使用量は問題ない。マーゾニンの代用としてマーセタートを使う場合、枯草菌芽胞のような抵抗力の大なものには、発育阻止のためには0.01%(10,000倍)が安全である。マーゾニンで発育阻止のためには、無芽砲菌に0.002%(50000倍)で可なるも、枯草菌芽胞には0.025%(4000倍)が安全である。
考察  
結論 血清及び予防接種液の防腐剤として、実験成績ではマーゾニンの代用として強いてマーセタートを用いる必要はない。
備考 研究指導:小島三郎(東京帝国大学伝染病研究所) 津山義文(陸軍軍医少佐)