日本陸軍軍医学校防疫研究報告抄録
担当者氏名 岡田麗江
作成年月日 2008.1.5
著者 弘岡正
著者肩書 陸軍軍医学校防疫研究室 陸軍軍医少佐
著者2 宮崎淳臣 坂野仙之助
著者2肩書 陸軍軍医大尉 嘱託
著者3 井上隆朝(陸軍軍医大佐 研究指導)
表題 結核菌分離用培養基の乾燥に関する研究
副題 野戦用乾燥培養基としての添加錠及び低温乾燥培養基に関するもの
 出典著者  
 出典表題  
 出典雑誌・書籍名  
 出典頁  
 出典発行年  
876
種類 原著
分類1 313-21
分類2 421-1
分類3  
分類4  
受付 19.4.12
印刷数  
米国メモの有無
米国メモ  
開始頁 876
終了頁 876-8
索引用人名 弘岡正 宮崎淳臣 坂野仙次郎 鈴木松治 関口作次郎 井上隆朝 石井四郎 内藤良一 岡 片倉
索引用方法   添加錠培養基の製法 低温乾燥培養基の製法
索引用材料 玉蜀黍 生卵 マラビット緑 αーナフチール醋酸加里 弘岡、宮崎、坂野原液 
索引用対象名  
索引用疾病名  
索引用地名  
索引用その他 陸軍式低温乾燥器
参考文献(邦) 6
参考文献(欧) 0
0
1
背景 結核菌分離培養の改良の中で岡・片倉培養基が優秀であり、更に植物ホルモンの添加で優秀な培養基が弘岡によって作成されている。野戦における結核菌の検索はまだ検鏡のみで培養はされず。元来軍用野戦培養基は、作戦に適応し不時の大量需用に供えるため長期の蓄積が必要。まして長途の輸送、特に熱地における集積に耐えねばならない。液状の培養基は高温。長期保存には不安である。乾燥した培養基は乾燥によりその効果を失わず、液体に比しはるか長期に保存が可能である知見をえた。
目的 野戦用結核菌分離用培養基として添加錠によるもの(鶏卵の入手可能な場合)及び低温乾燥(鶏卵の入手不可能な場合)によるものを完成したので報告する。
方法 添加錠の製法は、岡・片倉培養基に玉蜀黍の植物ホルモン、栄養剤として馬鈴薯澱粉、ブドウ糖、マラビット緑など加え、陸軍式低温乾燥器で3時間低温乾燥し、添加錠とする。添加錠の培養基の製法 低温乾燥培養基の製法は岡・片倉培地を少し変化し、植物ホツモンとして味の素の代わりにαーナフチール醋酸加里を用いる。この原液を用いて弘岡、宮崎、坂野原液をつくる。乾燥は、ハイム乾燥器を島津、中黒教官の改良による陸軍式低温乾燥機で熱気吸引装置を有するものを使用。乾燥培養基載せ製法
材料あるいは対象 岡・片倉培地 玉蜀黍 マラビット緑 αーナフチール醋酸加里 弘岡、宮崎、坂野原液 陸軍式低温乾燥器
研究対象(実施)年月  
場所  
結果 添加錠、低温乾燥器による乾燥砕片で調製した培養基と弘岡、宮崎、坂野原液培養基(対照)で結核菌(患者喀痰鈴木、奥津)を培養すると、添加錠のものは対照と集落の形状、発育状態は遜色ないが、低温乾燥培養基によるものは、培養成績が稍劣るが、分離用培養基としては有効である。
考察 弘岡は、岡・片倉培養基を凍結乾燥し、その作用も変化しない事をみとめているが、市販の粉末鶏卵よりの実験は失敗。吸湿製粉末の添加で真空蒸発乾燥の企画も培養成績は不良であった。今回のほう法で初めて成功。至適添加吸湿性粉末の究明にはなお研究をようする。低温乾燥法は凍結乾燥法より次の利点がある。大量生産が容易、経済的、補給上容積を小に、培養成績は稍劣るが分離培養に支障なし。添加錠の利点は使用方法が簡単、長期保存に耐える(有効期間は実験中)、培養成績良好、大量生産が可能、経済的、容積を小に。添加錠の製法上の特徴は、植物ホルモンを含有(玉蜀黍、馬鈴薯に)。
結論 野戦用結核菌分離培養基として、添加錠によるもの、低温乾燥によるものを作った。添加錠は、鶏卵入手が可能な場合に、他は、鶏卵入手が不能な場合に補給を企画できる。2つの培養基は長期保存、長途の輸送特に熱地の集積に耐え得る利点がある。本乾燥培養基は結核菌の分離培養に際し何れも非乾燥培養基と大体同等の発育能力を有する。
備考